藤井聡太七段とコンピュータ将棋

師匠(杉本八段)のはなし

 テレ朝の「大下容子ワイド!スクランブル」に7/10出演した師匠が弟子について、その凄さを「プロ棋士は盤面を頭に浮かべ手を考えるが藤井七段は頭に盤面の位置を文字化(符号化)し考える。」と語っていた。他のプロ棋士同様、てっきり盤面を画像化していると思いこんでいた自分には衝撃的ですらあった。あの詰将棋の驚異的スピードは盤面符号化の賜物なのだろう。
 「藤井に『頭の中の将棋盤』について聞いた時、彼は白黒で五角形の輪郭がない、一文字だけの駒とシンプルな升目を答えていました。新聞やAIの図面のイメージでしょうか。」「詰将棋を解く際は符号だけで判断し、脳内の盤面すらないと答えていました。」

論文「将棋の最年少プロ棋士藤井聡太の強さを測る」

 平均悪手を指標としており、「の技巧での季節別平均悪手から分かった 春,冬と夏,秋(特に 9 月)の平均悪手が大きく異なる ということから,藤井は暑い時期に棋力が下がる(大 きい悪手を指す)のではないかと考えられる.」と分析している。

敗戦振り返り

  • 2019年7月23日 竜王戦決勝トーナメント 豊島将之名人
    126手目△4六同角に対する▲1七飛?
    「終盤にもつれる手前で藤井が『この手を指せばはっきり有利』という一手がありました。」
    ▲1七飛のところ、▲2五桂打ち

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    対 豊島名人

  • 2019年11月19日 王将戦挑戦者決定リーグ 広瀬章人竜王
    110手目△6九飛成りに対する▲6八歩打ち
    「▲6八歩のところ、▲5七玉と玉を横に逃せば藤井の勝ちは濃厚でした。」

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    対 広瀬竜王


  • 2020年7月9日 棋聖戦第三局 渡辺明三冠
    98手目△3一玉に対する▲9四桂打ち?
    ▲9四桂のところ、▲4三成銀

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    対 渡辺三冠

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    悔しがる力

    悔しがる力

    • 作者:杉本 昌隆
    • 発売日: 2020/01/23
    • メディア: 単行本(ソフトカバー)
     

     


 

*1:※「悔しがる力」杉本昌隆